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東京にある女性のためのDV相談や支援相談。ドメスティックバイオレンス(家庭内暴力)・被害を受けた女性と子どもの支援活動をしています。

DVとは

17. その後

前回昔の母のしたことを絶対許せないだろうとはっきりと書いてみて、もっと現実の生活に影響が出るかと心配していたのだけれど、かえって気持ちが楽になった気がする。 許せないことを無理に気にしてないようにしたり許してると自分に言い聞かせたりするより、私はこのことにはまだ怒っているんだなとその怒りを認めて向き合ってあげたほうが、気が楽になる時もあるのかと驚いている。

まだまだ母のヒステリックな姿が頭に焼き付いて、あなたにされたこういうことに私は怒っているとはなかなかグリーフワークでも言葉に出せない私ですが、確かに未消化な感情が原家族に対してたくさん心に沈殿している。 本来なら当事者が冷静に聞いてくれるなら、思春期にお母さんのこういうところが嫌いとか、怖いとか、こんな言い方は嫌だから言わないでなど、話ができれば一番いいのだろう。

12歳になった娘も3、4歳の時ことをもちだして話をしてくるときがあった。

大人は何で昔のことをいまさら言い出すのかと戸惑ってしまうほうが多いはずだ。うちの母など「お前は執念深い性格だから、いまさらそんなことを言ってくるんだ」と言われ聞く耳を持ってもらえなかった。 子どもは、やっと自分の気持ちを言葉で言い表せる年齢になっただけなんだと思う。実際黙って話を聞いて、そんなふうに思ってたんだ。くらいの感想を言ってあげると気がすむみたいだ。

最悪の対応は変に自分を正当化してあの時お前がこんな悪いことをしたからなどと説教をはじめてしまうと、子どもの心にオリのようなものを残してしまうことになる。自分で言ったことは自分に帰ってくると開き直って、子ども心にそんな風に思ってたんだとか、あの言い方でもこんな風に受け取っちゃうんだね。と子どもの気持ちに関心を向けてじっくり聴いてあげると、言葉と一緒によどんでいた思いも消えていくようだ。

この作業は自分の子育てに自信がないとつらいのはもちろんだが、逆に自信を持ちすぎていても難しい。 本当の自信と謙虚さを試されているような作業だ。子育てをしていると本当の自分と向き合うこと、自分の怒りと向き合うことなどグリーフワークに共通する課題を絶えず突きつけられる。 私は権威的な親に傷つけられたから、娘には不当な権威のおしつけは極力しないようにしてきたつもりだったが、今回話を聞いてみると親子と言う関係性それだけで「いや」といえなくて我慢していたことがあったりしたことがわかってなかなかおもしろかった。

だんだん親に本音を言ってくれなくなる年頃の子どもが、話をしてきたら耳に痛いことでもちょっと聞いてみると見えにくくなっていた子どもの本音をうかがい知ることができたり、小生意気で憎らしいと思っていた子どもの意外な悩みがわかったりしたりもする。十分気持ちを聞いてあげたあとでこちらにも言い分があれば話してみると意外とすんなりと親の立場に理解を示してくれたりする。

普段甘えてなんでも親にやってもらうようなうちの子でも、何で言わないのかなと思うようなことを言えずにいたりして、親子なんだから話さなくてもわかるだろうと思っているのは親だけの思い込みなんだなと教えられた。

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