3. 苦悩の面接交渉(1): A子
私自身は元夫から首を絞められ、死にかけたことがある。気に入らないと子供たちに「どうしようもない馬鹿だ」と怒鳴り、子供たちは玄関まで引きずられたこともある。生活費をなかなかもらえず、「お前なんか困れ!」「この虫けら」「家畜野郎」と怒鳴りつけられることは日常茶飯事。被害をより受けていた上の子からは「ママ、パパと離婚して。引越ししよう」と毎晩泣かれた。経済的な非力さから「もう少しだけ待って。必ずパパから離れるからね」と2年生のわが子の頭を撫でながら寝かしつけた。その寝顔を見ながら、ただ母として辛くて情けなくて、毎晩声を殺して泣いた。
こんなDV被害に苦しんだ相手から逃げ、シェルター・ステップハウスで子供たちと暮らしながら離婚調停を続けた結果、離婚が成立したのが2年前。調停証書には子供の福祉に反しない限りにおいて、子との面接に相方協力することという内容が記載された。以後、弁護士を間に挟み面接交渉が始まった。
相手からは毎月、面接候補日が弁護士のもとにメールされてくる。結婚中は給料日にも生活費を渡してくれなかった相手であるが、離婚後は毎月毎月きちんと面接希望日をメールで告げてくる。一度、相手の希望する全ての日に子供の行事が入っていて、その月の面接は娘のピアノの発表会に来てもらうということにしたいと伝えたことがあった。その後弁護士のもとに、「今月の面接をどうしてくれる」という相手からのメールが届いた。離婚後もこうして脅され威圧され続けるのか・・・と心が縮まる思いがした。
基本的には毎月面接が行われているが、そのやり取りや子供への対応について困ったことが次から次へと出てくる。その困りごとについて具体的に例を挙げてみたいと思う。
(続く…)